宮崎駿監督の映画『風立ちぬ』は、堀辰雄の小説『風立ちぬ』からの着想も盛り込みながら、航空技術者・堀越二郎(1903–1982)をモデルに、その半生を描いています。その堀越二郎の敗戦当日の日記が、永六輔さん監修の本『八月十五日の日記』(講談社、1995)にあるとして、8月13日付け『しんぶん赤旗』の「まど」欄が紹介しています。
日記は次の通りです。
日本が、否日本の軍部とそれと結ぶ政治家が、外交で平和的に打開することをせず、武力に訴える所まで短気をおこしたのが、戦争の原因ではなかったか。日本に壊滅をもたらした政策を指導して来た者が全部去らなければ、腐敗の種は残る。「誠実にして叡智(えいち)ある、愛国の政治家出でよ」これが願いである。
「まど」子は、「いまの三菱重工で兵器の開発に携わった人物ですが、日本が無謀な戦争に突入していった本質を突いています」と評しています。
いま安倍政権が、集団的自衛権の行使を可能にして、日本を、アメリカとともに海外で戦争の出来る国にしようとしているのは、再び「外交で平和的に打開することをせず、武力に訴える所まで短気をおこ」そうとしているとしか思えません。私たちは、そのような政治の流れを、うかうかと見過ごしていてはいけません。
多幡記
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