2012年12月31日月曜日

「そこが聞きたい:領土問題 日野原重明氏」毎日新聞


 12月24日付け『毎日新聞』東京朝刊は、101歳の日野原重明・聖路加国際病院理事長へのインタビュー記事を表記の題名で掲載しました。全文はこちらこちらでご覧になれます。日野原氏の領土問題などについての考えは、主に次の言葉に現れています。
 本来、日本の領土は北海道と本州、四国、九州の本土だけで、他はすべて日清・日露などの戦争を介して獲得した領土だ。沖縄だって元々は琉球王国を接収したものです。領土問題を考える際、我々はその歴史をまず認識し、その自覚を元に、尖閣諸島や竹島や北方四島の問題を再検討したらどうか。

 争うのは海底に資源があるからでしょう。(領有権の整理に)あいまいさは残っても、日中・日韓境界近くの資源は日本が得意な技術を提供して共同開発し、利益を折半したらいい。

 [沖縄の米軍基地も]サイパンかグアムへ移す。資源もない丸裸の沖縄なら、世界の非難があるのに、誰が手出しできますか。できやしない。

 [自衛隊は]専守防衛に徹し、海外派遣は災害の救助に限定する。

 ドイツの哲学者カントが晩年、「永遠平和のために」という本を書いたでしょ。そこで「非戦」という思想に到達している。休戦協定や平和条約で「不戦」を取り決めるだけでは不十分なんだ。

 …自分が自分の過ちを許すように、相手の心もおおらかに許す。今の政治や外交には、愛がないね。損得条件の話ばかりで、精神がない。
 記者は前文で、日野原氏は「意表外な日本の生き方を」説いたと書いていますが、私はこういう考えこそがまっとうなもので、多くの政治家たちがこのように考えないのは、まことに浅はかだと思います。

多幡記