2012年12月27日木曜日

「歴史観、見直せば孤立」藤原帰一氏、朝日紙「時事小言」欄で


 『朝日新聞』夕刊に月一度載せられている国際政治学者・藤原帰一氏の「時事小言」欄の今月分は、表記の題名で12月26日に掲載され、「憲法改正」について述べられていました。(こちらでご覧になれます。全文を読むには朝日新聞デジタル会員登録が必要です。無料登録でも、一定期間一定数の記事という制限はつきますが、閲覧できます。)

 私は藤原氏の論調に全面的に賛成するものではありませんが、氏が「私は憲法改正が必要であるとは考えない」と述べていることを大いに評価します。

 藤原氏が憲法改正は必要でないとする理由は、安倍首相が前回首相を務めた際に「戦後レジームからの脱却」を唱えたことに関わっています。氏はこの言葉が、日中戦争と第2次世界大戦を日本の侵略として捉えることを自虐史観として、そこから脱却することを含むと見て、このような歴史の見直しには賛成できないと述べています。

 そして藤原氏は、そのような日本軍国主義の事実上の名誉復活は、第2次世界大戦後の世界の基礎をなしてきた国際社会の基本的合意に背を向ける行動にほかならないとし、その流れのなかで憲法改正をすれば、中国・韓国ばかりでなく、欧米諸国からも日本が厳しく批判されることは避けられないだろう、と指摘しています。——これは安倍首相を初め改憲派の議員たちに、ぜひ考えて貰わなければならないことの一つです。

多幡記