2012年12月15日土曜日

「だれかが犠牲 もういい」


 表記の題名は、『朝日新聞』夕刊の連載記事「ニッポン人脈記:民主主義 ここから」の、12月5日付け第10回の見出しです。この記事は、福島県生まれの東京大学大学院教授・高橋哲也さん(哲学)と、『安保と原発―命を脅かす二つの聖域を問う』(唯学書房、2012年)の著者で政治学者・東大名誉教授の石田雄(たけし)さんを紹介しています。

 高橋さんの「3・11で犠牲のシステムがあらわになった以上、これまでのように犠牲を『誰か』に押しつけ、自分たちは利益を享受することは許されない」という言葉、そして、「日本は再生可能なエネルギーへの転換を進めつつ、安全保障の分野では、東アジアとの相互信頼関係を醸成しながら、米国依存一辺倒の状態から脱却すべき」との主張が印象的です。

 石田さんも、「安保と原発は、ともに『中央が周辺を犠牲にして国策を強行する』という形の発展に根ざしてきた」と指摘し、「双方の根底にある発展の型を作り替えて、地域が自立的な発展を生み出せるよう、構想を練って実現を目指すべき」と提言していますが、もっともなことと思われます。

 私たちの、犠牲者を出さない選択がいま必要です。

多幡記