2013年12月5日木曜日

特定秘密保護法案反対の声明:大阪空襲訴訟原告団・支える会有志、体験に基づく悲痛な叫び込め


 大阪空襲訴訟原告団・支える会有志は、11月30日、大阪南のアメリカ村三角公園で、下記の通りの、体験に基づく悲痛な叫びを込めた声明を配布し、若い人たちに秘密保護法案の危険性を訴えました。



声明:特定秘密保護法は「戦争に向かう社会」への道を開くと懸念します。絶対に成立させないで下さい。

大阪空襲訴訟原告団・支える会有志

 11月26日夜、特定秘密保護法案が衆議院を通過しました。この法律は、「特定秘密」の名の下に国のあらゆる情報が隠されてしまう可能性があると、法律家や、憲法、歴史学者、ニュースキャスター、作家ら、数多くの人たちが危険性を指摘しています。私たち大阪空襲訴訟原告団も、自身の経験からこの法案の持つ危うさを懸念せずにはいられません。

 68年前、子どもだった私たちは、太平洋戦争末期の空襲に焼かれました。命だけはとりとめたものの、焼夷弾の火炎で大やけどを負ったり、爆弾の破片を受けて足を失ったり、生涯消えない傷が幼い身体に刻みこまれました。自身は疎開をしていたものの、かけがえのない家族を奪われ、孤児となった仲間もいます。

 戦後、どん底の暮らしの中で、私たちは親や大人たちに「どうして戦争を止められなかったの?」と訊かずにはいられませんでした。「気づいた時は戦争になっていた」。それが当時の大人たちの答えでした。大切な情報を隠され、新聞を読んでも本当のことを知ることができず、国が危険な道を突き進んでいたことに気がつかなかったと。私たちは今、当時の大人たちの無念の言葉が、自分たちに突きつけられていることを感じています。

 私たちは、国を相手にした空襲訴訟(現在・最高裁に上告中)の過程で、国が空襲被害の実態すら明らかにせず、被害者に補償はおろか最低限の援護措置も取らず、「国家の非常事態である戦争では、皆被害を受けたのだから、生命・身体・財産に何らかの被害を受けてもそれは我慢しなければならない」という理屈(戦争被害受忍論)で責任回避を続けていることを明らかにしてきました。

 先の戦争の後始末すらしていない政府が、何が「秘密」に指定されているかさえ国民が知ることができず、いくらでも拡大解釈できる特定秘密保護法を持てば、どうなるのか? 国民の知る権利や表現の自由はせばめられ、戦時下と同じような暗黒な社会をつくる道を開きかねないと懸念します。

 戦争体験者である元自民党幹事長の野中広務さんは「今、戦争の足音が聞こえてくるといっても過言ではありません。与党と野党の一部との修正協議、我々が恐れた昔の『大政翼賛会』のようです」と警告しています(兵庫県保険医協会での講演)。国民の素朴な懸念・疑問にも何ら答えることなく、慎重審議を求める声にすら耳を貸さず、拙速に法案を通す権力の暴走」といえる態度は、戦争への道の始まりではないかと私たちは恐れます。

 先の戦争が終わったあと、焼け跡に立ち「私はだまされていた」と言った作家がいました。その経験を知る私たちには、再び「だまされない」責任があります。だから心から訴えます。特定秘密保護法案を絶対に成立させないで下さい。空襲被害者の「遺言」としてどうか耳を傾けて下さい。

 2013年11月30日

連絡先 072-271-5364 安野輝子



(文責・多幡)

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