紹介が遅れましたが、大阪空襲訴訟原告団メンバーの一人の安野輝子さん(堺市西区)の「空襲被害の実相 伝える義務」と題する投書が、さる2月19日付け朝日紙「声」欄に掲載されました。
投書は、冒頭で「大阪大空襲などの被災者や遺族らが国に謝罪と損害賠償を求めた控訴審判決で、訴えが棄却され」、原告側が最高裁に上告したことを述べ、「戦争の惨禍を国はやり過ごすのか。空襲犠牲者には謝罪も償いもない。元軍人軍属への手厚い援護とは対照的だ」と、国を批判しています。
安野さんは続いて、1945年7月、6歳のときに、九州で米軍の空襲によって左足を奪われ、出血多量で死線をさまよった自らの体験と、病院で同室になった銀行勤務の、まだ20代半ばの女性が、爆弾の破片を後頭部に受けていて、その夜も明けないうちに亡くなったという目撃を記しています。そして、生き残った自分は、「この国が再び戦渦にまみれることのないように」、「空襲被害の実相を伝えていくのが責務」と述べています。
さらに投書は、「国防軍をつくり、憲法を変えるという構想」を批判し、「目指すべきは『命を大切にする国』である。国民の命を軽んじる国は、国民を飢えさせて核を持つ国にも等しいと思う」と結んでいます。政府はこの訴えを尊重し、また、最高裁は人びとの命と健康と平和を重んじる判決を下すことが求められます。
多幡記
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