2013年2月2日土曜日

赤川さんが批判する恐ろしい現実:再び起る原発大事故を考えようとしない安倍氏、経団連、電力会社

 『図書』誌に連載の赤川次郎さんのエッセイ「三毛猫ホームズの遠目鏡」が、2013年2月号では第8回となり、「フィクションと現実」と題されています。フィクション部分は、「時計の針を大きく逆に戻したような」昨年末の総選挙結果にからんで、二つの「謎」に注目し、それらを「私がポリティカルフィクションを書くなら」として、選挙の舞台裏を想像した話です。

 「謎」の一番目は、「この時期に総選挙になれば民主党の惨敗は目に見えていたのに、突然の野田首相の解散」であり、二番目は、「北朝鮮のロケット発射」です。これらについて、赤川さんでなくても、裏を想像することの好きな人ならば考えなくもないかと思われるフィクションの筋書きが示されています。その話はご想像にまかせるとして、もっと不気味なのは、このエッセイの現実についての部分です。

 赤川さんはその現実を最大の「謎」であり、「これこそ、どう作家が想像力をめぐらせても理解しがたい」として、次のように記しています。
 安倍氏、経団連、電力会社、その誰もが、「3・11」の、あの大地震の凄まじさ、大津波の破壊力、そして爆発した建屋の中すら今も分らないという原発事故の恐怖を経験していながら、これから起る大地震——間違いなく起るのだ——で再び原発が大事故を起すことを「考えようとしない」ことである。
 赤川さんはさらに、ベルギーに住むヴァイオリニスト、堀米ゆず子さんが「3・11」後のメールで、「初めのうちこそ日本を被害者として同情してくれていたヨーロッパの人々が、次第に日本を加害者と見るようになっている」といって来たことを紹介し、以下のように指摘しています。
 日本のマスコミは、あえて震災とその復興ばかりを取り上げているが、世界の関心はむしろ原発事故の方にあるのだ。…中略…今、正に日本は目をふさぎ、耳をふさぎ、口を閉じて危険に向かって歩き出しているのである。
多幡記

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