さる1月30日から2月1日まで静岡市において、第24回国連軍縮会議が開催されました。地元の静岡新聞以外は、これをほとんど報道していないようですが、2月12日付け朝日紙夕刊の「窓・論説委員室から」欄がこの会議に関連した「核軍縮と人道」と題する記事を掲載していました。
その記事によれば、同会議において最も熱を帯びた議論を呼び起こしたテーマは、「核兵器の非人道性」だったということです。会議ではノルウェー政府代表が、核の使用による「壊滅的な人道上の結果」を理由に、核兵器を非合法化する努力の強化を訴えたそうです。ノルウェーを初めとして、世界の35カ国が核兵器の非合法化を目指しており、核廃絶を求める市民団体代表らも賛同したということです。
ところが、この動きに日本政府は、米国の「核の傘」に安全保障を依存する立場から同調していないのです。会議の初日に、天野万利・軍縮大使は、「いきなり核兵器の非合法化を目指さず、段階的に核軍縮を進める必要」を強調したそうです。
「窓」子は、「北東アジアでの核依存低下と軍備管理で、日本がより積極的な役割を果たさないと、核軍縮の主張も弱々しくなる」と、政府の姿勢を批判しています。この政府批判はよいのですが、「核依存低下と軍備管理」というより、もっと進んだ核兵器廃絶に向けても、二つの原爆投下を受けた日本こそが先頭に立って努力すべきです。一方では、核兵器の非合法化に尻込みする姿勢を取りながら、他方で、朝鮮民主主義人民共和国の核実験を非難しても、その非難には説得力が伴いません。
多幡記
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