朝日紙夕刊に月一回掲載されている池澤夏樹さんのエッセイ「終わりと始まり」の2013年2月分(2月5日付け)は、「沖縄、根拠なき負担」と題されています。池澤さんはこのエッセイで、沖縄問題、すなわち、沖縄の人々が訴えるオスプレイ配備の撤回と普天間基地の県内移転反対が、緊急かつ重要であるとして、その背景を考察し、近い将来の危険に警鐘を鳴らしています。
池澤さんは、沖縄に海兵隊を常置させる根拠がない理由を幾つも挙げています。尖閣諸島を巡る防衛問題において沖縄の海兵隊が抑止力にならないこと、いま沖縄の海兵隊が主任務としている環太平洋各国との共同訓練も沖縄を基地にする必要がないこと、沖縄経済が米軍基地がなければ成り立たないというのは過去の話であること、などです。そして、このような条件下でも沖縄問題が解決できないということから見えて来るのは、日本人の大半が沖縄に対して抱いている構造的差別であり、国の中の地域対立は国を揺るがすことにもなると述べ、さらに、オスプレイの墜落予想まで記しています。
しかし池澤さんは、沖縄以外の1都2府42県の人々が、この問題にどう対応すべきかの答えを与えていません。海兵隊が沖縄にいる必然性がないことは、日本にいる必然性もないのと同じです。私たちは、米軍基地の日本からの撤去、そして日米安保条約の破棄を政府に迫るべきではないでしょうか。憲法9条を守り活かすことこそが、日本の力強い防衛力なのです。
多幡記
池澤春菜さんが好きで、お父様の書籍も読んでみようと思っていた時です(・∀・)
返信削除沖縄問題――。
今の政府は軽視しているようにしか思えません(´;ω;`)
池澤夏樹さんは、私と同様、大学で物理学を専攻しておられます。芥川賞受賞作にも物理のことが出て来ます。その記述に私はいささか疑問を抱きましたが…。
返信削除