2012年6月6日水曜日

情報短信:「日本国憲法が最先端」と米憲法学者らが分析


◆衆参両院の憲法審査会が始動し、自民党、みんなの党、たちあがれ日本などが改憲案を発表。そのどれもが九条と天皇を標的としています(注1)◆自民党が4月末に発表した草案は、天皇を「元首」に、「国防軍を保持」などとし、現憲法の平和主義を正面から踏みにじっています◆議員連盟が「一院制とする」改憲原案を国会には初めて提出しました◆「大阪維新の会」は「維新八策」原案を発表し、9条改定、参議院廃止などを主張。橋下氏は「ガレキ処理が進まないのも9条のせい」という荒唐無稽な理屈で、9条への憎悪をむき出しにしています◆憲法記念日の全国紙は真正面から改憲論議を煽っており、憲法を生かすべきと論じた大手メディアは一つもありません◆皮肉にも、5月3日付け朝日紙の国際面は、米憲法学者らが世界188か国の憲法を分析した結果、日本国憲法が最先端、と報じていました(注2)。

『憲法九条だより』第17号(2012年5月10)から


 注1. さる5月31日に行なわれた憲法審査会での議論は、「<衆院憲法審査会>9条改正、各党割れる」(毎日新聞)あるいは「憲法9条に照らして日米安保なくすのが筋:衆院審査会 笠井氏が主張」(しんぶん赤旗)をご覧下さい。

 注2. 朝日紙の報道によれば、分析したのはワシントン大学(米ミズーリ州)のデービッド・ロー教授とバージニア大学のミラ・バースティーグ准教授。日本では、米国の「押しつけ」憲法を捨てて、自主憲法をつくるべきだという議論もあることについて、ロー氏は「奇妙なことだ。日本の憲法が変らずにきた最大の理由は、国民の自主的な支持が強固だったから。経済発展と平和の維持に貢献してきた成功モデル。それをあえて変更する政争の道を選ばなかったのは、日本人の賢明さではないでしょうか」と語ったということである。