2012年6月2日土曜日

広報活動のはき違え


 政府がねらう消費税の大増税に向け、財務省の幹部職員が各地の大学で「説明会」を行い、正規の講義の時間を使って、消費税増税の必要性を訴える一方的な宣伝を行っていたことが、2012年6月1日付け『しんぶん赤旗』に報告されました。その記事には、財務省大臣官房が、「財務省から各大学当局に開催を働きかけ、協力を得られたところで『説明会』を開いている。政府の広報活動の一環であり、講師には職員旅費を支給している」と述べたことが記されています。

 大臣官房のこの言葉を読んで驚きました。これは、「政府の広報活動」の大変なはき違えではないでしょうか。財務省設置法第二節「財務省の任務及び所掌事務」には広報の規定がないばかりか、内閣府設置法第四条三十八項 の「広報」についての記述でも、「政府の重要な施策に関する広報に関すること」とあり、「施策」とは、「ほどこすべき策。実行すべき計画」(大辞林)であって、「実行すべきとの案がある計画」などが含まれる道理は全くありません。行政機関である省庁が、立法府で定められる以前のことの推進を図るという意味でも、明らかな越権行為というべきでしょう。

多幡記