きょう、5月1日付けの東京新聞は表記題名の社説を掲載しています。「日本国民は憲法の下、基本的人権が等しく保障されなければなりません。しかし、国内にはそう言い切れない現実を抱える地域もあります。沖縄県です」として、まず、4月28日に東京・憲政記念館で、政府主催の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」が開かれたことを問題にしています。この日は61年前に日本が敗戦後の占領体制から再び独立を果たした日であると同時に、沖縄はこの日を境に苦難を強いられてきたのです。
社説は次に、かつて読谷村長、沖縄県出納長を務めた参院議員・山内徳信さんが、村長時代から執務室に憲法9条の全文を毛筆でしたためた掛け軸を掲げていることや、沖縄が今なお「憲法の埒外、憲法番外地に置かれている」との山内さんの指摘にふれ、それは「在日米軍基地の約74%が沖縄に集中する不公平、在日米軍の軍人・軍属に特権的な法的立場を認める日米地位協定」を指すものと説明しています。
さらに「普天間飛行場の名護市辺野古への県内移設などの形で沖縄になお米軍基地負担を押し付ける、地位協定は運用改善止まりで、改定を求める沖縄の求めは無視される」状況のもとで、沖縄県が日本から独立するしかないという考えも、沖縄では出始めていることを述べています。
しかし、「現時点では、独立を求める県民が多数とは言えない」として、山内さんの「基地や原発を地方に押し付ける発想を封じ、どこに住んでも人間扱いされる国をつくる必要がある」という訴えを紹介しています。そして、「沖縄が日本であり続けるには、法の下の平等や基本的人権の尊重など、憲法の理念が完全に実現する状況をつくり出す」ことが必要で、「それが沖縄のみならず、日本全体をよくする力となるはず」と結んでいます。
——日本政府と国民がいま、こぞって考えなければならない問題です。
多幡記
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