2013年4月29日月曜日

米紙が続々と安倍首相批判

 『ニューヨークタイムズ』の4月24日付け社説は、「無用な日本の国家主義」と題して、168人の議員団による靖国神社参拝を批判し、「歴史的な傷を悪化させるのではなく、長く停滞している経済の改善と、アジアと世界での指導的民主国家としての役割強化に重点を置いて、日本の将来を構想することに、安倍氏は集中すべきである」と指摘しました。(原文へのリンクと全文和訳がこちらに。)

 『ワシントン・ポスト』の4月27日付け社説は、「歴史に向き合えない安倍晋三」と題して、前世紀の朝鮮半島の植民地支配に対して1995年に日本が表明した公式な謝罪を見直したいかどうかを国会で質問され、安倍氏が「侵略という定義は学界的にも国際的にも定まっていない。国と国の関係でどちらから見るかで違う」と答弁したことを述べ、次のように批判しています。「確かに、歴史は常に再解釈され続けている。しかし事実というものはあるのである。日本は朝鮮半島を占領した。日本は満州に続いて中国全土を占領した。日本はマレー半島に侵攻した。日本は侵略を行ったのだ。ドイツが歴史と率直に向きあってヨーロッパでの地位を確立してから何十年もたつというのに、どうして日本にはいまだに事実を認められない人々がいるのだろうか?」(原文へのリンクと全文和訳がこちらに。)

 また、『ウォール・ストリート・ジャーナル』が4月25日付けで「安倍首相、近隣諸国の神経を逆なで:戦時期の「侵略」を疑問視」(日本語版題名)という記事を、『クリスチャン・サイエンス・モニター』も同日付けで「日本の安倍晋三はとうとう国粋主義の本性にしたがって行動しているのか?」と題する記事を掲載しました。どちらの記事も、安倍首相が最近、戦時期の歴史を再考すべきとの考えを一段と強く打ち出し、閣僚の靖国神社参拝に対するアジアの近隣諸国の批判に反論したことが、中韓両国との関係をさらに悪化させていると指摘しています。

多幡記

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