2015年6月9日火曜日

「ヒトラーが大統領緊急令でワイマール憲法を空洞化し、幾つかの法を一束にしてまとめて変えたのは、安保法制の進め方にも似ていませんか?」——作家・半藤一利さん、毎日紙特集記事で


 昨年5月、毎日紙記者に対して、「戦争の芽を一つ一つつぶしてかかるしかない。こんなふうに、自分の手で」と、指で空をつまむ仕草を繰り返しながら語った作家の半藤一利さんは、いま、次のように話しています。

 「この1年で国は随分変わりましたね。『戦争の芽』は指ではもうつぶせないくらいに育ってしまったようだ。」
 「ヒトラーは国会決議を経ない閣議決定で大統領緊急令を発令させ、ワイマール憲法を空洞化し、幾つかの法を一束にしてまとめて変え、国民の自由を制限しました。安保法制の進め方にも似ていませんか?」
 「異なる考えを持つ人と語り合い、意見が違っても語り合えるだけの人間関係を築きましょう。物言えば唇寒し、と自分を縛らず、率直に意見を述べ合い、書いていきましょう。」

 東京大空襲の焼け跡で14歳だった半藤少年は「絶対に日本は正しいとか、絶対に神風は吹くとか、すべてうそだ」と思い知り、それ以来「絶対」という言葉を使わないと決めたそうです。そんな半藤さんは、安倍首相が5月14日の記者会見で「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にない」と断言したことについて、「絶対、などとなぜ言い切れるのか。あの言葉に心から安心できた人がいたのでしょうか」ともいっています。「絶対」という言葉を使わない作家の発言には重いものがあります。

 半藤さんへのインタビュー記事全文は、こちらでご覧になれます。

多幡記

0 件のコメント:

コメントを投稿