日本科学者会議常任幹事会は11月13日、「東日本大震災ならびに原発災害の被災者の救済、被災地の復旧 をこれ以上遅らせてはならない」という決議(全文はこちら)を行ないました。また、翌11月14日には、緊急声明「東日本大震災ならびに原発災害の被災者の救済、被災地の復旧 をこれ以上遅らせてはならない」(全文はこちら)を発表しました。
決議では、まず、「復興災害の再来を許してはならない」として、第3次補正予算を大規模な公共事業を期待する内需関連企業の復興特需に向けるのでなく、被災者・被災地域の切実な住民要求を実現するために抜本的に組み替えることを要求しています。
次いで、「原発災害を抑制し、被害者を全面救済するのは国の責任である」として、原発災害の被害者に対して、加害者である東電や政府は、いっさいの線引きなしに全面的な損害賠償をただちに行うことを求めています。
さらに、「復興財源を増税に求める必要はまったくない」として、その理由が、一方でグローバル企業が求めてきた法人税率を引き下げ、他方で所得税の引き上げによって勤労国民に対してだけ増税を求める政府の詭弁にあることを明らかにし、復興財源は、内部留保をため込んでいる大企業や金融資産を保有する相対的に裕福な国民の自発的な資金提供に依拠して調達されるべきであると主張しています。
緊急声明では、次の三つの理由を挙げて、日本政府が TPP 交渉参加の方針をただちに撤回することを要求しています。
- 日本の TPP 参加は日本国民の生命と生活の安心・安全を脅かし、国民から雇用を奪うものにほかならず、東日本大震災被災地復興の最大の妨げになる。
- 交渉対象になりうるすべての項目について、具体的な国益を国民に明らかにすることなしに交渉参加はなされるべきではない。
- 国民に 対して十分な情報提供と説明をすることなしに、政府が勝手に国際交渉に参加するこ とは国民主権を侵す行為である。
(多幡記)
0 件のコメント:
コメントを投稿