2013年10月1日火曜日

死刑のおどしで戦場に駆り立てる「軍法会議」:自民党改憲案の危険


 今年4月のテレビ番組で、自民党の石破幹事長が、憲法「改正」によって国防軍が創設された場合、戦場への出動命令を拒否すれば軍法会議で「死刑」「懲役300年」などと発言しました(たとえばこちらの記事)。

 この「石破発言」が、自民党「日本国憲法改正草案」(2012年4月)に明記された「軍法会議」創設(同案9条の2第5項)の危険性を如実に示すものであることを、飯島滋明・名古屋学院大学准教授(憲法学)が指摘しています(注)。

 飯島さんは次のように分析しています。——「軍の理論」からすれば、「敵前逃亡は死刑」といったおどしで隊員を無理やりに戦場に行かせる必要があり、そのために軍法会議が必要になります。(現憲法76条は、軍法会議のような特別裁判所は設置できない、としています。)軍法会議では、「軍の利益」が優先され、個人の生命や「基本的人権」は無視されるのです。——

 飯島さんはまた、テレビ番組「太田光の私が総理大臣になったら」(2006年12月)で、太田氏から「政治家は戦場に行かない」と批判されたとき、いつも饒舌な石破氏が黙ったことにふれ、こうした石破氏の態度は、敗戦までの日本の権力者と同じように無責任ではないかと問いかけています。

 最後に飯島さんは、次のように訴えています。——海外での武力行使、国民の「徴兵」や「徴用」を可能にし、権力者は戦場に行かないのに、国民が戦場に行かなければ「死刑」を科する軍法会議を設置する自民党改憲案。そして、同じような内容の「日本維新の会」や「みんなの党」の憲法改正を私たちは認めるのですか。主権者として適切な判断が求められます。——

 注:2013年8月13日付け『しんぶん赤旗』の記事「死刑の脅しで戦場に駆り立てる:自民・石破氏の軍法会議発言」。

多幡記

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