「九条の会」呼びかけ人の大江健三郎(作家)、奥平康弘(憲法研究者)、澤地久枝(作家)の 3 氏と事務局長の小森陽一氏は 10 月 7 日、都内で記者会見し、「集団的自衛権行使による『戦争する国』づくりに反対する国民の声を」と題するアピールを発表しました。
アピールは、解釈変更によって集団的自衛権行使を可能にすることを狙う安倍政権を批判し、「草の根からの世論で包囲し、この暴走を阻むための行動にたちあがりましょう」と呼びかけるものです。
アピールは、まず、安倍首相が、「集団的自衛権行使に関する憲法解釈を転換し、『戦争する国』をめざして暴走を開始している」と指摘しています。そして、この企てを、国会の発議や国民投票の手続きを経ないで、閣議決定だけで実現しようとしていることにふれ、「立憲主義を根本からつき崩すものであり、とうてい容認することはできない」と強調しています。
さらにアピールは、「防衛計画の大綱」再改定、「特定秘密保護法案」、「国家安全保障基本法案」など、安倍内閣の「戦争する国づくり」の動きを枚挙し、「いまこそ日本国憲法を守るという一点で手を手をつないで」行動することが必要、と訴えています。
大江氏は、「安倍首相は(改憲を)『歴史的使命』というが根拠はない。私たちには7000以上の会があり、その参加者たちがどうしても(9条を)守らなければならないとの使命を持っていることの方が確かな事実だ」と語りました。
奥平氏は、平和国家を維持するという国民の運動のなかで、憲法9条が守られてきたと指摘し、改憲発議要件を緩和する96条改定への批判が高まる中で、「なし崩し的に(憲法を)壊していこうという姿が見え始めている」と述べました。
澤地氏は、憲法9条をそのままにして集団的自衛権の行使を認めることは「形容矛盾で、日本語というものがこれほどばかにされたことはかつてない」と述べました。
小森氏は、11月16日に東京都千代田区の日本教育会館で、全国の草の根「九条の会」の第5回全国交流・討論集会を開くことを発表しました。
多幡記
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