2013年10月3日、NHK 午後7時のニュースは、「日米の外務・防衛の閣僚協議が東京で開かれ、日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインの見直しに着手し、来年末までに作業を終えること…などを盛り込んだ共同文書を発表し」たことを伝えました。
このニュースの中では、「日本では、安倍政権の下で集団的自衛権の行使を認めるかどうかや、自衛隊が敵の基地を攻撃できる能力、いわゆる敵基地攻撃能力の保有を巡り議論が始まってい」ること、「こうした状況を踏まえた日米の役割分担についても意見が交わされるものとみられ」ること、などが述べられました(NHK NEWS WEB「日米『2+2』ガイドライン見直しへ」参照)。
これに続いて、「先の大戦で負傷や病気をした元兵士でつくる『日本傷痍[しょうい]軍人会』が、会員の高齢化[35万人いた会員は5000人に減り、残った会員も平均年齢は92歳]で解散することにな」ったと報じられました。
このニュースの中では、同会が「戦時中から戦後を通じた厳しい生活の体験を基に平和の大切さを訴え続け、7年前には体験を後世に伝える史料館[ しょうけい館]が東京都内に開設され」たことや、同館には「元兵士ら140人の証言映像が集められてい」ることが伝えられました。
また、これらの元兵士の1人で、「戦後、中国で抑留中に右目を失明したという北海道恵庭市の武田豊さん(84)は、解散式のあと、『解散するのは、日本が再び戦争をせず、新たな傷痍軍人を出さずに済んだからで、うれしい気持ちだ。…』と話してい」たことが紹介されました(NHK NEWS WEB「『日本傷痍軍人会』が解散へ」参照)。この NHK NEWS WEB 記事には記録されていませんが、武田さんは「戦争は絶対にしてはいけない」というような発言もしていました。
後者のニュースの中の、戦争を嫌ほど体験した元兵士の重い言葉には、はからずも、前者のニュースの中の、戦争を知らない日本の政治家たちの計画の軽々しさを浮き立たせ、これを戯画化するような効果があったように思われました。「憲法9条を守り生かし、戦争は絶対にしてはいけない」の声を、もっともっと広めましょう。
多幡記
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