2013年6月2日日曜日

9条改憲に狂奔する為政者たちに痛言:『図書』誌「こぼればなし」欄


 岩波書店発行の『図書』2013年6月号巻末の「こぼればなし」欄は、同書店がさる4月に刊行を完結した『世界史史料』(全12巻)に関連して書き始めています。そして、戦後の新教育発足のさい高校社会科に「世界史」が設けられることになった背景、当時の日本人の日本国憲法についての確信、日本における平和と民主主義の歴史、9条改憲に狂奔する為政者たちへと話を進めています。以下にその概略を紹介します。

 まず、「世界史」教科の設定は、「敗戦後、もう二度と戦争をしないと決意した日本国民が、世界的視野をもった子どもたちを育てて、世界に積極的に働きかけていく以外に、日本の平和を確保する道はないと実感していた、という事実」に後押しされたもので、「平和憲法と深いつながり」があると指摘しています。

 次いで、国際連合憲章前文の平和に関する箇所を引用して、この憲章が「日本国憲法、とりわけその前文や第九条と深い呼応関係に」あり、「これらこそ、二〇世紀の『言語に絶する戦争の惨害』という犠牲を払って人類がつかみとった、かけがえのない成果だと、当時多くの日本人が確信して」いたことを述べています。

 続いて、「敗戦後日本を占領していた米国は、当初こそ日本の民主化と非軍事化を押し進め」ましたが、「日本を去る前に方向を逆転させた。…にもかかわらず、平和と民主主義と言う理想は、日本に根をおろした」と、あとのカッコ内の言葉をジョン・ダワー氏の『敗北を抱きしめて』から引用して説明しています。

 これらの流れを受けて、「この歴史をなかったことにして、いま九条改憲に狂奔する為政者たちは、自分たちが憲法にふさわしい存在になるのではなく、憲法を自分たちにふさわしい存在に引き下げようとしているとしか言いようがありません」と結んでいます。

 痛快な言葉ではありませんか。

多幡記

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