表記の集会が2012年8月1日に滋賀県大津市で開催されました。『日本の科学者』誌12月号にその報告が掲載されています。
それによると、全国から164人(科学者会議会員75名、会員外89名;滋賀県内76名、県外88名)が参加し、「非核の世界をめざして:核兵器廃絶と原子力発電からの撤退」をテーマに、2011年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原発事故後の同年7月に開催の岐阜集会と同様、核兵器廃絶と原発問題を関連させて取り扱ったということです。
集会では七つの報告が行われ、続くリレートークでは11人の発言があり、総合討論では、約20人が発言し、活発な討論が行なわれたそうです。
実行委員長・畑 明郎氏(元大阪市立大学)の呼びかけの言葉をこちら、日本科学者会議宮城支部のブログ・サイトでご覧になれます。
また、七つの報告の短い概要を、下記のタイトルをそれぞれクリックして、同じく上記のブログ・サイトでご覧になれます。
- 報告1:「封印されたヒロシマ・ナガサキ:米核実験と民間防衛計画」高橋博子(広島市立大学講師)
- 報告2:「アメリカの軍事戦略と原子力技術」山崎文徳(立命館大学准教授)
- 海外代表の特別報告:「Dangerous Times and the Promised Land of a Nuclear Weapons Free World(危険な時代と核兵器のない世界という約束の地)」ジョセフ・ガーソン(アメリカ・フレンズ奉仕委員会)
- 報告3:「ドイツの原子力政策と放射線防護行政」川崎陽子(環境ジャーナリスト・欧州在住)
- 報告4:「モンゴル国におけるウラン開発、原発建設、核廃棄物処理場建設問題」今岡良子(大阪大学准教授)
- 報告5:「福井原発再稼働差止訴訟の論点」井戸謙一(滋賀弁護士会)
- 報告6:「福井原発の現地からの報告」山本雅彦(原発問題住民運動全国連絡センター代表委員)
ジョセフ・ガーソン氏の「核兵器廃絶を実現することは、…(中略)…最初の原爆を受けた国の人々によるリーダーシップがあり、十分な数の諸国民が、アメリカや他の核保有国を包囲し、孤立させ、核兵器廃絶を実行させる意思と勇気を持つことが必要」との言葉を私たちは重く受け止めなければなりません。
また、ブログ・サイトの概要には記されていませんが、『日本の科学者』誌の記事によれば、川崎陽子氏はドイツとの比較によって、収束の見通しのつかない未曾有の原発事故の当事者でありながら、事故検証を踏まえた改革もせずに強引な原発再稼働を勧める日本の根本問題を指摘したとのことです。
多幡記