本会事務局長 上田規美子
12月16日投票の衆議院選挙の結果、自民党が圧勝し、改憲の騎手である安倍晋三氏が首相になりました。共同通信社のアンケート調査では、憲法9条改正賛成の議員は75.6%で改定に必要な3分の2以上の条件を満たしています。また、集団的自衛権の行使について、解釈見直しを、としている議員は81.1%にのぼるという結果です。
このことから、憲法9条の改正が一気に加速することになります。そしてまずは、憲法96条の、改定に必要な国会発議要件を現行の3分の2以上から2分の1以上に緩和することから始めようとしています。
私たち「9条の会」は、二度と戦争を起こさないように平和を守り広げていくためにも、憲法9条を要(かなめ)としてその大切さを訴えてきました。平和な世の中を子どもや孫たちに伝えていきたいと願って活動しています。この憲法9条があるからこそ、戦後自衛隊がイラクなど海外に行っても、一人も殺すことなくきているのです。
いまアジア諸国からも、日本の右傾化について厳しい目が向けられています。もし憲法9条をかえて自衛軍を持つようになれば、外国との平和外交をすすめていくことが困難になることは目に見えています。憲法9条を守り広げていくことが、いまこそ日本の、そして「9条の会」に課せられた大きな課題です。
今年は、よりいっそう対話を広げ、9条を守る大きな流れを作り出していきましょう。
『憲法九条だより』第19号(2013年1月10日発行予定)から