ノーベル賞作家の大江健三郎さんが、3月18日、大阪・本願寺津村別院本堂で行なわれた公開講座で「非戦平和」と題して講演し、安倍政権の暴走を批判しました。
講演の中で大江さんは、「人が個人として尊重される新しい憲法」を得て、希望を持って新しい国づくりに臨む気風の中で育った体験を紹介し、その平和憲法を作り替えようとする自民党の憲法草案には、「一番大切な "個人"」がなく、「憲法9条を忘れ、戦争を心配しなければいけない時代になっていく」と警告しました。
さらに、東日本大震災後、多くの人々が「原発の脅威のない、原発に頼らない社会」をめざしている事実を強調するとともに、原発再稼働の動きと並行して、海外での武力行使を可能とする集団的自衛権を容認し「アメリカとともに戦争する国」にする動きが進んでいることについて、「新憲法の出発時に決心した国とは、まったく違う国になってしまう危機」であり、「戦後[の平和努力]が終わってしまう」ことになると指摘しました。
大江さんは、また、「私たちがどのように押し返すかで、日本の運命が決まってくる」と、集団的自衛権の容認や発動を許さない取り組みの重要性を語り、「一番大切なことは、次の世代が生きていけないような社会・環境を作らないこと」と」訴えました。
(以上、3月20日付け『しんぶん赤旗』の記事「憲法の原点と違う国に:大阪 大江健三郎氏が改憲批判」を参考にしました。)
多幡記
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