2011年12月23日金曜日

大江健三郎さん、「なにより同じ過ちをくり返さないこと」


 ノーベル文学賞作家で「九条の会」呼びかけ人の一人の大江健三郎さんが、民医連月刊誌『いつでも元気』2012年1月号に、「取り返せないことを取り返す」と題する巻頭エッセイを寄せています。

 東京電力福島第一原発の事故で、福島の土地が広範囲にわたって汚染を受け、住民が歎く様子をニュース特集で見た大江さんは、これこそ祖母が口癖だった「取り返しのつかないこと」ではないかと、おびえました。しかし、東京で6万人を越える市民が集った「さようなら原発」集会に参加して、「このままへたりこんでしまうわけにはゆかない」という励ましを受けたということです。

 そして、「夕鶴」を書いた木下順二さんが、「取り返せないことを取り返す」という言葉を遺したことを思い出し、「ひとりひとりの個人が、そのように決心して働くこと、なにより同じ過ちをくり返さないこと」の重要さを訴えています。

 新しい年を迎えるに当たって、私たちは、わが国がふたたび戦争への道を歩んだり、原発の大事故を起こしたりすることのないように、「同じ過ちをくり返さない」の決心を固めようではありませんか。

(多幡記)

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