2011年12月19日付け毎日新聞大阪夕刊にインタビュー記事「今、平和を語る:ノーベル賞物理学者・益川敏英さん」が掲載されました(同記事のウェブ版はこちら)。益川さんは、2008年にノーベル物理学賞を受賞した一人で、ストックホルムでの受賞記念講演で戦争体験に触れたことが印象的でした。
インタビューの最後に聞き手は、益川さんが「九条科学者の会」の呼びかけ人、「憲法9条京都の会」の代表世話人であることにふれています。それに応えて益川さんは、憲法9条が交戦権を否定しており、憲法を変えたいという人たちは、日本を戦争のできる国にしたいと思っているからだろうということ、100年単位でみると人類は進歩しており、いまや宣戦布告して戦争をするのは不可能だろうということ、日本国憲法の理念がこれから世界の国々に浸透していくだろうということなどを、力強く語っています。
折しも、政府は20日の安全保障会議で、航空自衛隊の次期主力戦闘機 (FX) として米ロッキード・マーチン社製の F35A を決定し、閣議で了承しました。1機あたりの調達価格は2012年度予算ベースで99億円としています。最終的に42機を導入する方針で、今後、維持費も含めれば総額1兆円に達するとの見方もあります。主力戦闘機の主任務である「防空」を踏み越えて、「空対地攻撃能力」=敵基地攻撃まで想定されており、憲法上も大いに問題視されるものです。政府は益川さんの言葉に大いに耳を傾けてもらいたいものです。
(多幡記)
0 件のコメント:
コメントを投稿