2013年3月14日木曜日

"安倍首相 9条改正に意欲:いよいよ「安倍カラー」"、"「国連活動」はごまかし"

 安倍首相が3月9日、BS朝日の番組で、将来的に憲法9条を改正し、国連の判断で軍事的な措置などで侵略行為を除去する「集団安全保障」への参加に意欲を示したことを10日付けの各紙が報道しました。表記前半の題名は『毎日新聞』の記事のものです。

 同記事は、「これまで憲法改正の発議要件を定めた憲法96条の見直しを訴えてきたが、より踏み込んだ」とし、首相はまた、「国際紛争を解決する手段として武力行使をしないとなると、(国連の)集団安全保障において日本は責任を果たすことができるのかという議論が残る」と説明した、と述べています。

 自民党の憲法改正草案では、現憲法の9条第1項にある「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」を「武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない」という表現に弱めていますが、首相の説明は、これでもまだ変え足りないといっていることになります。

 この日の首相発言に対して、10日付け『しんぶん赤旗』は "「国連活動」はごまかし" と題する解説記事を掲載しています。解説は、「首相が改憲で国連の集団安全保障活動(軍事活動)に参加するとしたことは、繰り返し明言する96条改訂の狙いが9条の全面改悪にあることを明確にしたもの」と述べています。また、改憲案の「国防軍の活動」の項には「国連」と言う言葉さえはずしてあり、首相の「国連活動への参加の道を残す」という言い方は、自民党改憲案の危険な本質をごまかすものであり、結局、米国とともに海外で戦争する体制づくりを狙うもの、と鋭く指摘しています。

 私たちは、このようなごまかしに騙されてはなりません。国連への協力は、必ずしも軍事行動によらなければならないものではありません。首相自身も認めていたように、国際連合憲章第7章に基づく、安保理が指揮する国連軍が組織されたことはこれまで一度もないことにも注意すべきです。

多幡記

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