102歳のいまも多忙な活動を続ける現役医師で聖路加国際メディカルセンター理事長の日野原重明さんが、このほど『十代のきみたちへ―ぜひ読んでほしい憲法の本』(冨山房インターナショナル)を刊行しました。日野原さんが、小学校などを回り、10歳の児童らに向けて「いのちの授業」を展開してきた活動の一環です。
なぜ憲法を題材にしたのかについて、日野原さんは2014年5月31日付け朝日紙の「102歳・私の証:あるがまゝ行く」欄(デジタル版はこちら)で、次のように説明しています。
なぜ憲法を題材にしたのかについて、日野原さんは2014年5月31日付け朝日紙の「102歳・私の証:あるがまゝ行く」欄(デジタル版はこちら)で、次のように説明しています。
知的な生き物である人間は、互いの生命を尊重する、たとえば国家間などで戦争、紛争をしないと約束することが可能です。本能の赴くままに奪い合い、殺し合い、自らの住む社会や世界をみすみす破滅に陥れるほど、愚かな動物ではありません。傾聴すべき言葉ではありませんか。
どの国にも、それぞれの憲法があります。憲法に基づいた政治を行うことを立憲政治と言います。その国に憲法があるということは、その国の国民の権利と自由が守られている指標であり、国際社会から「一定の良識を持った国」と見なされる一助となります。
日本国憲法は終戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指導のもと、国会が決めたものです。中でも重要なのは、以下に示す憲法第9条です。
[憲法第9条の条文は省略]
今の憲法を「米国の押し付けで、変えるべきだ」と言う人の多くは、この9条を問題にしています。ですが9条には「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」「前項の目的を達するため」など、日本側の意向も組み込まれているのです。
多幡記
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