2012年9月28日金曜日

右傾化、極右化、極々右化


 アメリカの有力紙『ワシントン・ポスト』は、さる9月21日、"With China's rise, Japan shifts to the right (中国の成長とともに、日本は右傾化している)" と題する記事を掲載しました。『しんぶん赤旗』が、その要点を紹介する記事を掲載しています。(なお、両記事を合わせて、こちらでご覧になることも出来ます。)

 しかし、わが国の右傾化は「九条の会」の創設者の一人、故・加藤周一がすでに1980年に指摘していたことです。加藤は『朝日新聞』に「山中人閒話」と題して評論を書き始めた第2回に、「日米保守化のこと」と題して次の通り記しているのです。
 日本の場合には、…中略…[一九]四五年以後には、緩慢に、なしくずしに、坂を滑り落ちるように、保守化または右翼化が進行して、今日に至った。…中略…今日の日本の保守化は、振子運動の一時期を示すのではなく、ゆるやかに、しかし止めどなく、滑り落ちる過程の一時期を示す。(福武書店1983年発行の単行本『山中人閒話』p. 14)
慧眼というほかありません。加藤のこの指摘に従えば、最近の日本の傾向は、右傾化というより、極右化というべきだと思っていた矢先、自民党総裁に安倍元首相が選出されたことによって、外国のメディアがそれを極右化の言葉を使って報道する事態となりました。私にいわせれば極々右化です。極々右人物を首相にならせて、九条改悪を許すようなことがあってはなりません。

多幡記