2013年1月12日土曜日

戦争体験を語る:上・三池尚道さん(その3)
どこから考えても戦争はしてはいけませんな

三池さん

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兄弟5人中2人が戦死

 兄弟5人中4人が兵隊に行きましたが、2人が戦死しました。10歳上の長兄は大阪大学で応用化学と機械の道に優れていたそうですが、卒業と同時に召集されて大尉となり、フィリピンで戦死。26歳でした。

 7歳上の次兄は徴兵検査で合格し、入隊、3カ月後戦死。乗っていた船が南太平洋のニューブリテン島へ向かう途中、魚雷攻撃を受け沈没しました。

 特に長兄は両親自慢の息子であり、両親亡き後は家族の大黒柱でもありました。それだけに戦死を聞いたとき、今後どうしたらいいのだろうと相当悩みました。

 どちらも独身でしたが、両親が亡くなっていたとして遺族年金など補償金は全くなしです。受け取る親が生きていなかったとはいえ、自分は今でも納得できていません。

 いまでは兄弟でただ1人生きている私が2人の位牌を預かり、命日の毎月29日、今でもお坊さんに経を上げてもらい、手を合わせて供養しています。

戦争は絶対にしてはいけない

 戦争だけは絶対にしてはいけませんな。戦争に行っている人は大変だし、おくりだしている家族も大変ですね。

 考えてみれば、私の親もかわいそうなものです。苦労して育て一人前になったと思ったら戦争にとられ、一回も楽な目をしないまま死んでしまったとは。2人とも病死でしたが、もし戦争の時代でなければもっと長く生きられたかもしれないのに。

 子どもにしたって、成人にはなっても親が生きていることは生き甲斐になりますからね。どこから考えても戦争はしてはいけませんな。

(完)

(2013年3月26日、小倉・荒川がインタビュー)

『憲法九条だより』第19号(2013年1月10日)から

2013年1月10日木曜日

「九条の会」メルマガ第156号:緊張感をもって、新年の情勢にたち向かいます


 表記の号が2013年1月10日付けで発行されました。詳細はウェブサイトでご覧になれます。運動に活用しましょう。なお、メルマガ読者登録はこちらでできます。

 以下に、冒頭の二つの重要記事と編集後記を引用して紹介します。

九条の会事務局主催「学習会」を行います


 憲法問題が緊張しています。
 九条の会事務局では、安倍政権が集団的自衛権行使容認の動きをすすめていることにたいして学習会を企画しています。ぜひご予定に入れてください。詳細は追って発表します。
 日時:3月3日(日)開場13:30
 会場:東京しごとセンター講堂(千代田区飯田橋)

ベアテ・シロタ・ゴードンさんが昨年末、亡くなられました。謹んでお悔やみを申し上げます


 事務局に1月1日、在米の日本人のOさんから以下のメールが寄せられました。メルマガ編集部は、日本国憲法の準備期にベアテ・シロタ・ゴードンさんが現憲法の女性の人権、平和などについて果たされた重大な業績に、心から敬意を払い、彼女のご逝去を心から悼みます。

 また、ご逝去に際して、ベアテさんのご遺族が故人をしのぶお花の代わりに九条の会への寄付を呼びかけることを決めてくださったことにはお礼の申し上げようもありません(新年に入り、各地の有志の方々から事務局や呼びかけ人の所に「ベアテさんへの献花に代えて」という主旨で寄付が届いております)。

 折から、日本では安倍内閣が登場し、平和憲法にかつてない危機が訪れようとしています。この歴史の逆流を打ち破り、終生、日本国憲法を愛し、その理念を広めることに力を尽くされたベアテさんのご努力が大きく花開き実を結びよう、私どもは全国の九条の会の皆さんと共に全力を尽くしたいと思います。

 (なお、九条の会の郵便振替口座番号等はメルマガ詳細をご覧下さい。)

 Oさんのメールをご紹介致します(九条の会メルマガ編集部)

 初めてお便りします。憲法草案の書き手の一人であるベアーテシロタゴードンさんのことはご存知だとおもいます。私は長い友人でニューヨーク住まいのOといいます。ベアーテが昨日現地時間12/30夜、亡くなられ長女の方が以下のような通知をだされました。お話ができなくなるまでぎりぎり朝日新聞取材の憲法についてのインタビューに娘さんを通じてこたえていらっしゃいました。家族の死に際してお花の代わりに故人をしのぶ関係に寄付をというのがこちらの心ある方の習慣です。そのために彼女の大きな2つの業績(アメリカでのアジアからの舞台芸術のプロジユースと日本の憲法)それぞれへの寄付を提案するとご家族のかたはきめられました。

 私が日本への寄付先について相談を受け、女性項を書かれたのでそういう団体もさがしましたが、今度の選挙の結果を受けて一番大事で一番あやういのが9条ということになり、また発起人の一人である鶴見俊輔さんなどと共著もあり、9条の会にきめました。どのくらいのお金があつまるかはベアーテの日本のファンにどれくらい彼女の遺志が伝わるかだと思います。

 そちらさまのメールマガジン、ウェブでも広めていただけたら幸いです。ただお金の額より最後まで日本の憲法を世界の叡智とほこられ大事にしていた日本育ちのベアーテさんの気持ちを選挙後の日本国民の方にわかっていただきたいのです。 ベアーテさんのファンの方達はまた気持ちを新たに運動に参加してくれるかもしれません。

 ベアーテさんのことについては 本もでておりますし、Wikipedia でも多くの情報があります。また英語版の Wikipedia は今直したとところですから、ご参照ください。(以上)

 以下、新聞報道の一部を紹介します





編集後記~緊張感をもって、新年の情勢にたち向かいます


 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 新年にあたって、各地の皆さまからあいついで力強いメッセージが届いております。本号、冒頭にお知らせしたベアテさんのご遺志も私たちを大きく励ましてくれていると思います。

 あらためて、今年は九条の会の真価が問われる年だと思います。メルマガも自らに課せられた役割を果たせますよう、がんばる所存です。どうぞよろしくお願い致します。

 (以上、引用に当たって、表記等を読みやすく変更したところがあります。文責・多幡)

2013年1月6日日曜日

改憲の策動を打ち破り、憲法9条を守り広げる大きな流れを作りましょう


本会事務局長 上田規美子

 12月16日投票の衆議院選挙の結果、自民党が圧勝し、改憲の騎手である安倍晋三氏が首相になりました。共同通信社のアンケート調査では、憲法9条改正賛成の議員は75.6%で改定に必要な3分の2以上の条件を満たしています。また、集団的自衛権の行使について、解釈見直しを、としている議員は81.1%にのぼるという結果です。

 このことから、憲法9条の改正が一気に加速することになります。そしてまずは、憲法96条の、改定に必要な国会発議要件を現行の3分の2以上から2分の1以上に緩和することから始めようとしています。

 私たち「9条の会」は、二度と戦争を起こさないように平和を守り広げていくためにも、憲法9条を要(かなめ)としてその大切さを訴えてきました。平和な世の中を子どもや孫たちに伝えていきたいと願って活動しています。この憲法9条があるからこそ、戦後自衛隊がイラクなど海外に行っても、一人も殺すことなくきているのです。

 いまアジア諸国からも、日本の右傾化について厳しい目が向けられています。もし憲法9条をかえて自衛軍を持つようになれば、外国との平和外交をすすめていくことが困難になることは目に見えています。憲法9条を守り広げていくことが、いまこそ日本の、そして「9条の会」に課せられた大きな課題です。

 今年は、よりいっそう対話を広げ、9条を守る大きな流れを作り出していきましょう。 

『憲法九条だより』第19号(2013年1月10日発行予定)から

2013年1月4日金曜日

これからが正念場:新しい年を迎えて


雨後のブラーの島(水彩画・部分)

本会代表 多幡達夫(文と絵)

 2013年は巳年、すなわちヘビの年です。かつて朝日新聞に連載されていた大岡信氏の「折々のうた」に、ヘビを読み込んだ次の短歌が紹介されていました。
 ばんざいの姿で蛇に銜(くわ)えられ春らんまんの蛙いっぴき
——鳥海昭子『花いちもんめ』

 大岡氏の解説には、まず、この歌の意味だけを見れば「動物世界の残酷物語ということになろう」とあります。続いて、歌を読み下すときの印象は別で、明るさがあることを指摘し、それは「春らんまんの」という「思いきった形容の効果」だと述べています。

 明るい印象があれば、一見残酷な歌でも年賀状に使ってもよかろうと、私は思いました。しかし、衆院選の結果を見て、次のような、残酷さにかかわる連想を、この歌を引用したあとに書き加えざるを得ませんでした。

 「前途ある多くの若者が、ばんざいを唱えながら散って行った時代へ歴史を逆戻りさせてはならないと、切に思うこの頃です。」

 衆院選で多数を取った自民党が準備している改憲草案は、大勢の若者たちが強制的に軍隊に入れられ、このように無駄に命を落とした時代を再現するものです。しかし、自民党の「圧勝」は、多党乱立、低投票率、小選挙区制の弊害などによる見かけ上の現象で、民意は決して、こうした恐ろしい「改憲」や、危険な「原発再稼働」を認めて、「憲法9条護持」や「原発ゼロ」に背を向けたのではありません。

 9条を守り活かし、また原発ゼロを早期に実現するための闘いは、これからが正念場と思って、私たちは、いま気持ちを引きしめなければなりません。

 上の水彩画(部分)は、私がイタリア旅行で訪れたブラーノ島の街の、雨後の風景を描いたものです。その旅行をしたのは、2003年、イラク戦争が始まって間もなくで、イタリアのどこの街でも、PACE(パーチェ、「平和」のイタリア語)の文字の入った七色横縞の旗が家々に掲げられ、イラク戦争反対を表明しているのを見て感心しました。絵の左端の商店の二階の壁にもその旗が見られます(左上隅)。私たちも、「9条を守り活かそう」の意思表示をしっかりと示して行きましょう。

本会の『憲法九条だより』第19号(近日発行予定)から

2013年1月1日火曜日

「日本国憲法起草のベアテ・シロタ・ゴードンさん死去」毎日新聞など


 毎日新聞は1月1日付けで、第2次世界大戦後、GHQ(連合国軍総司令部)民政局員として日本国憲法の男女平等などの条項を起草した米国人女性、ベアテ・シロタ・ゴードンさんが昨年12月30日、膵臓がんのため、ニューヨーク市内の自宅で死亡したことを報じました(記事はこちら)。

 その記事は、ゴードンさんが生前、「日本の憲法は米国の憲法より素晴らしい。決して『押しつけ』ではない」と主張し、9条(戦争放棄)を含む改憲の動きに反対していたことや、親族が故人への供花をする代わりに作家の大江健三郎さんらが設立した「9条の会」への寄付などを呼びかけていることを報じています。

 また、同日の朝日新聞デジタルは、同じくゴードンさんの訃報(こちら)を掲載し、その中で、長女のニコルさんによると、最期の言葉は日本国憲法に盛り込まれた平和条項と、女性の権利を守ってほしい、という趣旨だったことを伝えています。

 私たちはぜひとも、ゴードンさんの生前の主張を活かし、最期の言葉を果たすように努めなければなりません。

多幡記