2015年5月29日金曜日

「木を語らずに森は語れない」——朝日紙「天声人語」


 このところ連日、毎日紙、朝日紙も、戦争法案についての国会討論での政府側答弁を批判しています。5月29日付け朝日紙「天声人語」欄は、安倍首相が自衛隊員のリスクが高まるという議論は木を見て森を見ていないものだと発言したことに対して、「木を語らずに森は語れない。隊員の『派遣の後』にも思いを致す議論が必要だ」と述べています(全文はこちら)。その通りです。木が枯れていくことに目を向けなくては、森は守れません。

 私は先日たまたま、抑制力のジレンマについての野党側質問に対する首相の答弁を聞きました。「わが国の装備には透明性があるから、ジレンマに陥ることはない」という趣旨のものでした。しかし、「仮想敵国」側の戦力が不透明であれば、結局は軍拡競争のジレンマに陥り、武力による抑止は効果を生まないでしょうから、いかにも稚拙な考えだと思いました。憲法9条を守ることこそが抑止力なのです。

多幡記

0 件のコメント:

コメントを投稿