2012年11月29日木曜日

改憲の分水嶺:自民党の恐るべき公約


 12月4日に公示される衆院選に向けて自民党が政権公約を発表したのに対して、『東京新聞』は「タカ派色前面 安倍首相時頓挫の公約再登場」と題する記事や「『改憲』は喫緊の課題か」と題する社説を掲載して批判しています。また、『日刊ゲンダイ』も、「本性見えた 安倍自民『ウルトラ右翼』公約」と題する記事を掲載しました。(それぞれの記事は、前記の題名をクリックしてご覧になれます。また、三記事のイメージがこちらのブログ記事に集められています。)

 とくに、『東京新聞』の社説が、「今回の衆院選と来夏の参院選の結果次第では、96条改正勢力が衆参両院で3分の2を超える可能性もある。発議要件が緩和されれば、いずれ9条改正にも道を開くだろう。今回の衆院選はその分水嶺にもなり得る、重要な選択である」と指摘していることを、私たち有権者は真剣に受け止めるべきです。そして、これらの記事が明らかにしている自民党の恐ろしい側面を、周囲の人たちに広く知らせて行かなければなりません。

多幡記

2012年11月27日火曜日

まさに「忌まわしい時代に遡る」:自民党の憲法改正草案


 「『日本国憲法改正草案』がヤバすぎだ、と話題に…」と題するウェブ・ページ(こちら)に、批判的な立場から自民党の日本国憲法改正草案を現憲法と対照した表(2012版)が掲載されています。表の作成者は「私が一番気になったのは、基本的人権を守ろうとする姿勢が大きく後退していること」と述べています。

 また、9条については第1項末尾から第2項へかけての「(国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては)永久にこれを放棄する。 ② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」が「きれいさっぱり削除され、その代わりにトンデモない集団的自衛権行使・可能を捻込んできた!」と評されています。改正草案は「(国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては)用いない。 2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない 」などとしているのです。

 沢田研二さんの『我が窮状』の歌にあるように、これではまさに「忌まわしい時代に遡る」ことになり、このような改正を万一許すことになれば、日本人はまことに「賢明じゃない」ということになるでしょう。

多幡記

2012年11月26日月曜日

「九条の会」メルマガ第153号:誰が憲法、とりわけ9条をしっかり守ろうとしているか


 表記の号が2012年11月25日付けで発行されました。詳細はウェブサイトでご覧になれます。運動に活用しましょう。なお、メルマガ読者登録はこちらでできます。

 以下に編集後記を引用して紹介します。

編集後記~まもなく都知事選挙、総選挙ですね

 14、5もの政党が争う大変な選挙になっています。今後のこの国のゆくえを大きく左右する選挙です。一部からは改憲と自衛隊の「国防軍」への改称や「集団的自衛権の行使」などという声がかまびすしく聞こえてきます。私たちは誰が憲法、とりわけ9条をしっかり守ろうとしているかを見極め、主権者としての権利を行使しましょう。

 おわび:先にメルマガ第152号を紹介しましたブログ記事で、リンク先が第151号になっていて、失礼しました。その後、修正しました。

2012年11月25日日曜日

本:『沖縄』『ヒトラーの国民国家』『低線量汚染地域からの報告』


 わが家では『朝日新聞』と『しんぶん赤旗』を購読していますが、最近は政治記事だけでなく、書評などの文化記事でも、前者には魅力のあるものがきわめて少ないと感じています。体制順応的な編集方針がそこまでも影響しているのでしょう。表記の題名の本は、いずれも後者の書評欄(11月18日付け)で知ったもので、いま大いに注目すべき問題を扱っています。

 『沖縄:日本で最も戦場に近い場所』(毎日新聞社、2012)の著者、吉田敏浩氏は、沖縄の人々の生の声を丹念に伝えるだけでなく、なぜ戦争の構造がいま存在しているかの背景に切り込んでもいます。「時宜に適し鋭く急所を衝いた正義の書」であると、新原昭治氏(国際問題研究者)は評しています。沖縄の人々の苦しみをどうすれば取り除くことができるかは、日本の国民全体が考えるべき問題です。

 『ヒトラーの国民国家:強奪・人種戦争・国民的社会主義』(岩波書店、2012)は、ドイツ生まれの歴史家・ジャーナリスト、ゲッツ・アリー氏の著書を芝健介氏が訳したもので、ドイツ国民がなぜナチ指導部による巨大犯罪を許し、自らも犯しえたのかという疑問に答えています。「日中・日韓の問題を考える際にも多くの示唆を与えてくれる」と、熊野直樹氏(九州大学教授)は評しています。ファシズムに似た「ハシズム」が危険ないま、来たる12月16日の総選挙を考える上でも参考になるでしょう。

 『低線量汚染地域からの報告:チェルノブイリ26年後の健康被害』(NHK 出版、2012)の著者たち、馬場朝子・山内太郎両氏は、チェルノブイリ原発から 140 キロ離れていて、「年間 0.5 から 5 ミリシーベルトの被爆線量が見込まれる地域」とされているコロステン市を訪れ、そこでも多くの病気が増えている事実を報告しています。評者の前田利夫氏は、「その原因を究明することもなく放射線の影響でないとするのは、はたして『科学的』といえるのか—大きな疑問を投げかけています」と述べています。福島第一原発の事故による低線量汚染地域の調査も徹底して行なわれなければなりません。

 余談ながら、以前私が水村美苗著『続 明暗』を愛読したので、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の続編である高野史緒著『カラマーゾフの妹』(講談社、2012)も読みたいだろうと妻が思い、その書評を読んだかと私に尋ねました。私はそれを見落としていて、朝日紙の書評欄だろうと思ったのでしたが、それも『しんぶん赤旗』の方でした。

多幡記

2012年11月17日土曜日

原水爆禁止2012年世界大会・科学者集会(滋賀)のこと


 表記の集会が2012年8月1日に滋賀県大津市で開催されました。『日本の科学者』誌12月号にその報告が掲載されています。

 それによると、全国から164人(科学者会議会員75名、会員外89名;滋賀県内76名、県外88名)が参加し、「非核の世界をめざして:核兵器廃絶と原子力発電からの撤退」をテーマに、2011年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原発事故後の同年7月に開催の岐阜集会と同様、核兵器廃絶と原発問題を関連させて取り扱ったということです。

 集会では七つの報告が行われ、続くリレートークでは11人の発言があり、総合討論では、約20人が発言し、活発な討論が行なわれたそうです。

 実行委員長・畑 明郎氏(元大阪市立大学)の呼びかけの言葉をこちら、日本科学者会議宮城支部のブログ・サイトでご覧になれます。

 また、七つの報告の短い概要を、下記のタイトルをそれぞれクリックして、同じく上記のブログ・サイトでご覧になれます。

 ジョセフ・ガーソン氏の「核兵器廃絶を実現することは、…(中略)…最初の原爆を受けた国の人々によるリーダーシップがあり、十分な数の諸国民が、アメリカや他の核保有国を包囲し、孤立させ、核兵器廃絶を実行させる意思と勇気を持つことが必要」との言葉を私たちは重く受け止めなければなりません。

 また、ブログ・サイトの概要には記されていませんが、『日本の科学者』誌の記事によれば、川崎陽子氏はドイツとの比較によって、収束の見通しのつかない未曾有の原発事故の当事者でありながら、事故検証を踏まえた改革もせずに強引な原発再稼働を勧める日本の根本問題を指摘したとのことです。

多幡記