2014年1月10日金曜日

時代は新たな「戦前」か、九条の会の役割はいっそう重大:「九条の会」メルマガ第179号


 「九条の会」メルマガ第179号(2014年1月10日付け)が発行されました。詳細はこちらでご覧になれます。運動に活用しましょう。

 「事務局からのお知らせ」として次の記事などがあります。
他にも多くの記事が掲載されています。以下に、編集後記を引用して紹介します。
編集後記~時代は新たな「戦前」か

 昨年の臨時国会からこの方、各種の戦争準備法の成立や靖国参拝など東アジア諸国との緊張の激化が急速に進んでいます。安倍晋三という戦後歴代の首相の中でも特異な人物の下で、この国は東アジアをはじめ世界各地で「戦争する国」に向かって暴走を開始しつつあります。もはや時代は新たな「戦前」に至っているのかも知れません。この新年、九条の会の役割はいっそう重大だと痛感しています。

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2014年1月8日水曜日

「あたらしい憲法のはなし」に見る日本国憲法の出発点と前文の重要な意味


 岩波書店発行の『図書』誌2013年12月号の「こぼればなし」欄(編集後記に相当)は、同書店が同年9月に刊行した『あたらしい憲法のはなし 他二篇』(高見勝利・編、岩波現代文庫)にふれています。

 「あたらしい憲法のはなし」は、1947年5月3日 に日本国憲法が施行された年の8月2日付けで、著作兼発行者「文部省」 名義で公にした、日本国政府による公式の「新憲法」の解説で、学校生徒児童を主対象に広く配布されたものです。日本ペンクラフも、いま「この史料、並びに『憲法』そのものが読み直されることを切望する」として、これを憲法全文とともに、PDF版で公開しています(こちら)。

 「こぼればなし」子は、「あたらしい憲法のはなし」の記述を見ると、「明治憲法とは隔絶した新憲法を、子どもからおとなまで全国民の中にどうやって生きた常識として根づかせるか、政府が知恵を絞りに絞っている様子がよくわかります」とした上で、日本国憲法の二つの出発点について述べています。

 出発点の第一は、平和憲法とも呼ばれる日本国憲法の最も深い根となっているもので、「あたらしい憲法のはなし」の中には次の通りに記されています。
いまやっと戦争はおわりました。二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか。こんな戦争をして、日本の国はどんな利益があったでしょうか。何もありません。ただ、おそろしい、かなしいことが、たくさんおこっただけではありませんか。
 もう一つの出発点として「こぼればなし」子は、「権力はどんな嘘でもつくし、国民を破滅に導くことも厭わない、だから国民は憲法をもって権力を厳しく縛らなければならない」ということを挙げています。そして、他方、「自由民主党憲法改正草案」(2012年4月「決定」)には、「権力を縛るという発想はほとんど見られない」ことを指摘し、「その点で明治憲法にも遠く及ばない、近代憲法以前の代物」と、厳しく批判しています。

 「こぼればなし」子は、さらに、憲法前文についての「あたらしい憲法のはなし」の説明から、次の部分を引用しています。
これからさき、この憲法をかえるときに、この前文に記された考え方と、ちがうようなかえかたをしてはならないということです。
この説明に対応する憲法前文の言葉は、その第1段の末尾にあり、次の通りです。
この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
「こぼればなし」子は、次のように指摘しています。
にもかかわらず、自民党「改憲草案」では「前文」が文章も趣旨もすっかり別のものに書き換えられています。いまや政権を担う公党が、みずからこの憲法をなきものにしようとしているわけで、「憲法尊重義務」はどうなっているのかと疑わざるを得ません。
 前文の上記の言葉に関連して、筆者は、2013年1月に『しんぶん赤旗』に連載された記事「解剖 自民党改憲案」を思い出します。「改憲案」の前近代性は心を暗くするばかりなので、筆者はこの記事をあまりり熱心には読まなかったのですが、最終回に前文の上記の言葉が取り上げられ、次のように記されていたのを読み、希望の光を見出しました。
 これは、仮に憲法改正の手続きを経たとしても、根本理念を否定する「改正」は無効だとする宣言です。
 自民党改憲案は[…]日本国憲法の根本理念を含む全面改悪であり、「排除」されるべき「憲法」です。
 さて、「こぼればなし」子の文に戻りますと、次のようにしめくくられています。
 改憲を掲げる安倍政権は、正面衝突が困難と見て取るや、ただちに実質的改憲に走り出しました。「ある日気がついたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変っていた。誰も気づかないで変った」という麻生副首相の発言は、今の安倍政権の狙いを解説するものとしてなら、けだし名言というべきでしょう。私たちは再び「だまされる罪」(樋口陽一氏)を犯してはならないのです。
 この一年を騙されない年にしましょう。

多幡記

2014年1月5日日曜日

「生き残ったのも地獄でした…戦争の惨禍を伝えていくのは私の責務だと思ってきました」:大阪空襲訴訟原告団・安野輝子さん


 大阪空襲訴訟原告団の安野輝子さん(堺市西区在住)から、新年の挨拶とともに、平和を願う思いをつづった文がメールで本会へ寄せられました。以下に紹介します。
 私は足を奪われました。B29の投下した爆弾の破片が後頭部に当たった人は、その夜も明けきらぬうちに亡くなりました。地鳴りのようなうめき声が、出血多量で死線をさまよい意識がうすれていく私の脳裏に、耳に焼きついて今も離れません。その女性は、まだ二十歳半ばの銀行員でした。生かされたのか生き残ったのか、私には朝が来たのです。生き残ったのも地獄でした。1945年7月16日~17日のことです。

 戦争の惨禍を伝えていくのは私の責務だと思ってきました。再び戦争の惨禍にまみれることがあってはならない、孫たちには平和な世を手渡したい、と、そればかり思ってきましたが、昨年12月、特定秘密保護法が成立しました。戦争は秘密からはじまるといわれますが、国家権力の横暴に成す術もありません。

 集団的自衛権の行使の容認、先の大戦の犠牲の基にできた平和憲法の改正など、この国は、どこへ向かっているのでしょうか。1万発の弾薬とは、何人の命を殺めるのでしょうか。

 昨年も、東日本大震災の復興は成らず、原発の汚染水は海にたれ流したまま…。あれもこれも胸の痛むことばかりでも、なにも成せない、むなしさがつのります。

 上記の文を添えたメールに続いて、秘密保護法の成立に落胆していた彼女が、「昨年は、戦後史のターニングポイントともいうべき年となりましたが、民衆の歴史を作るために今年があると思います」という言葉に励まされ、元気をだしていこうと思っている旨の追伸メールを貰いました。こちらのメールが、安倍首相の年頭所感中の「憲法改正に向けた意欲」に抗して、今年を憲法9条を守り生かそうの大合唱の年にしたいという筆者の思いに通じるところがあったので、3日付けの本ブログで先に紹介した次第です。

多幡記

2014年1月4日土曜日

「9条にノーベル平和賞を」:署名運動に協力しましょう


 「日本国憲法、特に第9条、を保持している日本国民にノーベル平和賞を」という署名運動が「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会によって、change.org のウェブサイト(こちら)を使って行なわれています。

 筆者は1月2日に大阪空襲訴訟団の安野輝子さんから知らされ、早速署名と、ツイッターとフェイスブックでの宣伝をしました。皆さんも署名と運動の拡大にご協力下さい。以下に署名の内容と運動の趣旨を上記のウェブサイトから引用しておきます。

 なお、この運動については、1月3日付け東京新聞朝刊で紹介されました(「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会のフェイスブック・ページの1月3日付け投稿「『9条にノーベル平和賞を』:推薦資格持つ教授らも賛同」やこちらをご覧下さい)。



署名の内容

宛先:The Norwegian Nobel Committee, Mr. Thorbjorn Jagland (Chair of the Nobel Committee)

世界各国に平和憲法を広めるために、日本国憲法、特に第9条、を保持している日本国民にノーベル平和賞を授与してください
Please award the Nobel Peace Prize to the Japanese citizens who have continued maintaining this pacifist constitution, Article 9 in particular, up until present.

発信者:「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会

運動の趣旨

 憲法九条の素晴らしさを共有し、守り、活かし、世界に向けて広めていく取組の一つとして、実行委員会を組織し、ノルウェー・ノーベル委員会宛の署名活動を開始しました。

 EUが団体としてノーベル平和賞を受賞出来るなら、憲法前文から始まり基本的人権の尊重と徹底した戦争放棄を謳った憲法九条を戦後70年近く保持している日本国民も団体としてノーベル平和賞を受賞出来る可能性はあるのではないでしょうか。

 日本国民は、積極的に憲法を活かすまでには至っていないかもしれません。しかし、世界中が武器を片手に戦力で物事を推し進めようとする圧力の中で、世界中の人の幸せと平和を願い、戦争への反省から、まず自ら率先して戦争の放棄、武力の不保持を定めた憲法を、戦後70年近くもの間保持してきました。このことによる世界の平和と安定への貢献は計り知れないほど大きいと言えるのではないでしょうか。

 もちろん、日本国民全員が現憲法に賛成しているわけではありません。しかし、今現在も、今この時も、憲法を変えてはいません。これはひとえに、戦後、戦争への反省と平和への願いを込めて、大勢の方々が戦争の悲惨さと愚かさを語り継ぎ、祈りを込めて受け継がれてきた平和への願いがまだなお深く息づいているからだと思います。

 そして、受賞に向けて、「世界の平和を願い戦争しないことは良い事であり、守り、広めていこう!!」という価値観の共有自体にも、意味があるのではないでしょうか。

 この改憲の危機に直面している今、世界の平和のために平和憲法を守り、活かし、広めていくための取組の一つとしてご理解・ご協力いただけましたら幸いです。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会
共同代表:石垣義昭、鷹巣直美、竹内康代、星野恒雄
実行委員:落合正行、岡田えり子、福島一雄、高橋勝、深津さおり

2014年1月3日金曜日

2014年を憲法9条を守り生かそうの大合唱の年にしましょう


 2014年元旦のNHKニュースは、安倍首相が年頭にあたっての「所感」を発表し、その中で、「『国のかたち』を表す憲法についても国民的な議論をさらに深めていくべきだ」として、憲法改正に向けた意欲を示している旨を報じました(こちら参照)。自民党の無謀な改憲草案を見るならば、首相のこの意欲がいかに愚かしいものかを思わないではいられません。

 安倍政権の「戦争する国」づくりへの暴走を押しとどめるため、津津浦浦の各九条の会が中心になって、今年を憲法9条を守り生かそうの大合唱の年にしましょう。

 大阪空襲訴訟原告団の安野輝子さんから、次のメッセージを貰いましたので、紹介します。

 秘密保護法の成立に落胆していた私は、「昨年は、戦後史のターニングポイントともいうべき年となりましたが、民衆の歴史を作るために今年があると思います」という言葉を聞かされ、励まされています。そうですね、元気をだしていこうと思います。
 今年も、ご指導、ご支援いただきますよう、よろしくお願いいたします。皆様のご健康をお祈りしています。

 安野さんからは、このメッセージと合わせて、彼女の最近の思いをつづった文と、九条に関わる署名のお願いの拡散依頼も貰っていますので、順次紹介する予定です。

多幡記