2012年4月29日日曜日

日本がこれから歩むべき道のヒントは「非戦」では——日野原さん


 各党から続々改憲案が出る異常な事態(たとえば、こちらの記事参照)の中で、良心的な声も力強く発せられています。聖路加国際病院理事長の日野原重明さんは、昨4月28日付け朝日紙e5面の「100歳・私の証 あるがまゝ行く」欄で、5月3日の憲法記念日に寄せるとして、改めてご自分の説を訴えています。

 日野原さんの説は先にも紹介しましたが、「10年間という猶予期間をもうけ、米軍基地を国外に移し、移転費用は日本政府が持つ」というもので、さらに「基地跡地は平和の象徴、日本の楽園として整備していく」、「自衛隊は世界各国の災害地域にいち早くかけつけて救助活動を行う部隊と位置づける」というものです。

 日野原さんの説の細部には異論もあると思いますが、「カントはいかなる場合でも戦争を認めない『非戦』の精神を提唱しています。日本がこれから歩むべき道のヒントは、この『非戦』にあるのではないでしょうか」との基本的な考えは、国民一同が賛同し尊重すべきものと思います。(多幡記)