2012年3月20日火曜日

大江健三郎さん、パリで原発再開反対訴える


 ノーベル文学賞作家で「九条の会」呼びかけ人の一人の大江健三郎さんが3月18日、パリで開かれたヨーロッパ最大規模の書籍展「サロン・ド・リーブル」で講演し、東京電力福島第1原発事故後に停止された日本の原発を「二度と稼働させてはならない」と訴えたことが、各メディアで報道されました。

 大江さんは、事故後、2基を除いて原発が停止している日本の現状を紹介し、「破滅から私たち自身を守るためには、活動していない原発を動かさないことだ。危機を認め、根本的なモラルを持たなければならない」と強調しました。広島、長崎の原爆にも触れて、「50年前、私は原爆は既に終わった歴史だと思っていたが、被ばくの問題は終わっていなかった。今、福島で起こっていることは40年後に顕在化する」と、危機の深刻さを語りました。

 講演には300人以上が集まり、大江さんは影響を受けたサルトルをはじめユゴー、ランボー、カミュらフランスの文学者への愛着と称賛を語り、最も好きなフランス語として「ペ(paix、平和)」を挙げて、講演をしめくくりました。

 電力会社や政府は経済への影響を理由にして、原発再稼働を急いでいます。しかし、福島原発事故の原因の解明も出来ておらず、それを踏まえた安全指針の改訂もされていない現状で、机上の「ストレステスト」のみで、運転再開を図ることは無謀です。さらにいえば、未完成な技術に過ぎない原発は、特に地震の多いわが国で、大江さんの言葉通り、「二度と稼働させてはならない」のです。私たちは、被害にあった住民たちの心を逆なでする原発再稼働の動きに対して、反対の声を結集しなければなりません。

 (大江さんの講演の部分は、3月19日付け『中日新聞』の記事を参考にして記しました。——多幡)

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