2018年8月1日水曜日

沖縄よ! 沖縄よ!(詩)


詩中に触れられている儀間比呂志著 “新版画風土記沖縄” の表紙

詩・浅井千代子(本会世話人)
—懐かしいなァ!—
つぶやきながら見入っているのは
沖縄の版画家
儀間比呂志の
“新版画風土記沖縄”
画家独特の力強く味わい深い画風
南国の光り輝く太陽
強くたくましくおおらかに生きる人々
それにも増して
過酷な歴史と美しい自然
沖縄には一度旅した
太田知事の集会に参加
那覇にある儀間先生の画廊も尋ねた
今は遠く懐かしい思い出
この四月桜の季節に昨年旅立たれた
先生の三回忌を迎える
わたしが
四十代の初め夢中になった人形劇
グループの講習会に講師としてお招きした内のお一人が
版画と絵本作家の儀間比呂志氏
それから後常に沖縄を注目するようになった
自分の生まれ故郷は信州
古里信州とともに
今こよなく沖縄を愛する
戦中本土の盾となった悲劇の島沖縄
戦後半世紀以上本土との差別激しく
今も無法の地沖縄
わたしの人生はこれからも沖縄と共にある
そんなわたしを
形見となったっ先生の作品
—市場へ急ぐアンマー達—
の温かいまなざしが
とても眩しくやさしい
『異郷』第44号(2018年4月号)から

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